グループ
1981-1990

一つの中央持株会社の下で分散化

数多くの製品部門を擁する企業には、明瞭で効果的な管理構造が必要になります。そんな理由から、1983年にすべてのグループ企業を1つの中央持株会社の下に収めることになりました。この大きな組織はそれ以降、今日に至るまで、Liebherr-International AGによって管理されています。

この新しい親会社は、スイス、ビュルにその本拠地を構えています。

1983年 グループを統括する親会社

ハンス・リープヘルにとって、信頼の置ける品質とそれを持続していくことは、最も重要な企業哲学です。そんなリープヘルは、早い段階で次世代への準備を整え始めます。1970年代に入り、この巨大なグループ組織は新しい方向に進み始めました。進路の一環として、会社をドイツ企業とスイス企業に分けるなどの措置が取られ、

1983年には、スイスのビュルにあるLiebherr-International AGが、中央持株会社としてグループを統括する親会社になりました。今日まで、この組織の株主はすべて、リープヘル一族のメンバーです。

州首相ロタール・シュペートがハンス・リープヘルにドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字章を授与。

1984~86年 ハンス・リープヘルが生涯に渡る業績を評価され数々の賞を受賞

ハンス・リープヘルは1976年以降日常のビジネス活動から引退し、戦略的な会社経営に専念することになりました。起業家としての彼の生涯の功績は高く評価され、この企業を象徴するものとして認識されています。そんなハンス・リープヘルが1984年2月、チュービンゲンのエバーハルト・カールス大学から名誉評議員に任命されました。その後も1986年に受けたドイツ連邦共和国功労勲章の大功労十字章をはじめ、数多くの賞を受賞することになります。

リープヘルが初めて自社開発したディーゼルエンジンの一つ、D926。

1984年 グループ内でのキーテクノロジーの習得

高い品質が求められる製品を生産していくために、リープヘルでは組織内でコア・コンピタンスを自分たちの手で作ることに重きを置いています。そのため、重要な部品やユニットはグループ内で開発・生産しています。製品分野に応じて、企業グループ内での垂直統合率は現在60%を超えています。

その一例となるのはディーゼルエンジン。その量産は1984年にスタートしました。当時リープヘルは、建設機械を最適化していくために、過酷な条件下でも確実に機能する独自のエンジンを自ら設計、生産しています。

カナダ、トロント。超高層ビルを建設中のリープヘルのクライミングクレーン。このタイプのクレーンが初めて製作されたのは1985年のことです。

1988年 創立40周年を迎えるリープヘル

40年の社歴を経ても、その財務諸表は常にプラスを維持するリープヘル。投資、そして拡大戦略を通して、連結売上高30億ドイツマルク以上、と好成績を維持し続けています。長年にわたり大胆に多角化してきた勇気が功を奏し、リープヘルはビジネスの変動や不安定な市場に対しても揺るぎない独立性を享受しています。

新しいアイデアを開発し、長期的に計画していけるのも、こんな経済的な自由があるからです。また、このように製品群を持続的に拡大していくことは、戦略的市場への進出の基盤になるのです。